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2008年 第2回定例会本会議
≪ 横山区議・質問の概要 ≫

  1. 高齢者の命とくらしを守るために
    1. 区長として高齢者の医療、介護の抑制を図る「社会保障構造改革」への認識を問う。また「後期高齢者医療制度」の廃止を政府に対して求めるべき。
    2. 「高齢者プラン」策定にむけて、これまでの首都大学と共同で行った調査などを生かすとともに、低所得者の利用抑制や要介護者のサービス利用実態など調査・分析し施策に反映させること。
    3. 最低生活費を割り込む高齢者からも年金天引き含めて介護保険料、国保・後期高齢医療保険料を徴収することは、生存権の侵害であり、やむを得ない滞納で医療介護難民を生むことにもなり、免除制度を検討すること。
  2. 子どもの貧困の連鎖を断ち切るために
    1. 「子育て支援需要調査」に基づき区事業の改善をどう図るか問う。
    2. 義務教育無償の原則に近づけるため「学校給食」「教材教具」などの公費負担あり方を検討すること。
    3. 低所得の子育て世帯に対する生活支援として家賃助成などを検討すること。
  3. 教育環境の整備にむけて
    1. 小中学校で40人以上のクラスが生まれている現状について、教育上どう考えているのか見解を問う。
  4. 地域経済活性化に向けて
    1. 「産業振興センター」設置を具体化すること。
    2. 区内の産業集積を生かす一環として、企業、個人を問わず今後に引き継ぐべき技術、技能を掘り起こし、後継者を全国に求め、養成中の費用を支援すること。
    3. 区内での起業、創業事例を成功、失敗などその内容含めて把握し、今後の支援策に生かすこと。
  5. 都営住宅の建替え問題について
    1. 居住室面積が国の最低居住水準を下回る都営住宅建替え「型別供給基準」の見直しを求めること。
    2. 都営住宅の建替えにあたっても「集合住宅の建築及び管理に関する条例」を適用すること。
  6. 京成線高架下の整備について
    1. 区民の多大な犠牲の上で生まれた高架下の活用方法として、自転車・バイク駐車場設に向けて京成電鉄へ要請の現況を問う。
    2. 自転車・バイク駐車場の整備にあたって京成電鉄、東京メトロ、東京都、商業施設などに応分の費用負担を求め、快適な空間確保をはかること。
≪ 質問 ≫

 私は、日本共産党区議団を代表して質問します。
 自公連立政権のすすめる「構造改革路線」によって、国民は、格差と貧困の拡大にさらされ、痛めつけられてきました。2002年頃から景復は回復基調などと言われましたが、増大したのは大企業の役員報酬と株主の配当、労働者の賃金は減少、景気回復で減るはずの生活保護受給も増加の一途です。老年者控除廃止、公的年金控除の縮小、低所得高齢者の住民税非課税限度額の廃止、定率減税廃止など庶民増税、社会保障削減による医療・介護の負担増やサービスの切り下げが相次ぎました。いま年間通じて働いている人で年収200万円以下が1000万人を超え、国民生活基礎調査によると平均所得以下の世帯が6割以上、200万円未満の世帯が2割近くに及んでいます。こうした背景に、1999年の労働者派遣法原則自由化、2003年の製造業への派遣自由化による非正規労働の拡大にあったことは明らかです。いまや若者達の将来への希望さえ奪う社会になっているのではないでしょうか。まさに国民には、痛みに次ぐ痛みの連続です。
 4月1日に実施された後期高齢者医療制度は、こうした「構造改革路線」の医療分野での総仕上げとして導入されました。しかしこの制度への国民の怒りと怨嗟の声は、日を追う毎に広がっています。それは、沖縄県議選でもハッキリと示されました。
 国民が怒っているのは75才という年齢で医療を別枠にして差別し、医療費削減の標的にして限りない負担増と医療内容も差別する「姥捨て山」制度です。名称を「長寿」に変え、均等割の9割減額などの見直しですむ問題ではありません。荒川区の老人クラブをまわりましたが「博善社への片道切符だ」となげいておられました。米寿も喜寿も喜べない、長生きを喜べない国にしていいのでしょうか。若い人に迷惑をかけられないから、高齢者も負担しなければと言う方もいらっしゃいました。子や孫を心配する高齢者に我慢をさせる前に削るべきムダがあるはずです。姥捨て山からみんなでお年寄りを背負って、引き返そうではありませんか。
 2015年まで医療費削減目標3兆円の内2兆円、25年まで8兆円削減目標の内5兆円を75才以上の高齢者の医療費削減と負担増で捻出する一方で、大企業の減税や米兵の娯楽費まで含めた「思いやり予算」、大型公共事業や軍事費などのムダにいっさい手を付けず聖域扱いです。挙げ句に、財源問題を持ち出し「消費税増税しかいない」などいっそうの国民負担を求める考えを示しています。
 政府の進める「社会保障構造改革」は、結局、ギリギリの生活をしている高齢者にまで繰り返しの負担を求めるなど弱者切り捨てです。区長は、毎年社会保障費を2200億円削減するなど、政府の進める高齢者医療や介護の抑制をねらった「社会保障構造改革」についてどうお考えでしょうか。認識をお聞かせ下さい。
 また、後期高齢者医療制度の廃止を区長として政府に対して強く求めるべきだと考えますが、見解をうかがいます。
 介護保険について、所得階層別の介護認定の現状を示していただきました。この数字は、6月の介護認定状況を昨年度の賦課で計算したもので実際と多少の誤差はありますが、傾向は明瞭です。要介護者・要支援の占める割合は、生活保護と老齢福祉年金受給者の第一段階で、この所得階層全体の27%程度、世帯全員非課税で年収80万円以下の第二段階で全体の25%程度となっています。世帯全員非課税で年収80万円以上の第三段階で16%、本人は非課税で課税されている家族と一緒に住む第四段階は約15%となっています。ところが、第5段階から第8段階の要介護認定では、各段階の8%から9%であり、2倍以上の開きがあります。これだけ見ても、低所得による経済的格差、貧困が健康や身体状況に大きな影響を与えていることがハッキリと読みとれます。荒川区は、所得階層別の利用状況など調査をしていません。私どもは以前から、低所得層での経済的理由によるサービス抑制を問題にし、所得階層別のサービス利用状況の調査、分析の必要性と対策を求めてきました。
 介護保険制度になって、高齢者介護の実態を区として直接掌握することがなくなりました。あがってくるのは、数字の固まりとしての「介護保険料」「介護サービス」の量であり、その変動です。区民の中で、真に必要なサービスが提供されているのか、されてない実態があるとすれば、その原因は、何か、経済的理由なのか、それとも家族の考えなのかなどつかむことから、生きた支援策が出てくるのではないでしょうか。
 来年に向けて「高齢者プラン」の改定があります。所得階層別のサービス利用実態などの分析を行うべきです。「高齢者プラン」策定にむけて、これまでの首都大学と共同で行った調査などから高齢者の生活実態などリアルに掘り下げるとともに、低所得者の利用抑制や要介護者のサービス利用実態など調査・分析し施策に反映させることを求めます。お答え下さい。
 保険料滞納者への資格証明証の発行、保険証の取り上げで医療から排除さる問題が、5月11日のNHKスペシャル「セーフティーネット・クライシス」で放送されました。国保料を払いたくても払えず、緊急入院でも入院費が払えないからと、病院を抜けだし再入院も手遅れで命を落とす、機能しない生活保護など、この国のセーフティーネットの底抜け状態をリアルに取り上げた番組でした。
 荒川区では、毎年1000世帯前後に国保の窓口10割負担の資格証明証を出しています。その中には、高齢者のいる世帯が約100程度、子どもを扶養している世帯も含まれています。
 日本医療政策機構の実態調査では、低所得者に受診抑制が顕著という結果が2年連続あらわれました。今後、70歳〜74歳窓口原則2割負担になれば、いっそうひどくなることが予測されます。
 この7月から後期高齢者医療の保険料納付、10月からは年金天引きです。これまでも暮らせない年金から介護保険料が天引きされていましたが、加えて医療保険料のダブル徴収です。また65歳以上の国民健康保険加入者も年金天引きがはじまります。とりわけ、最低生活費を割り込む高齢世帯は、生活そのものを切り下げるしかありません。現実に、所得階層で世帯全員非課税の1段階から3段階の方は、14,000人以上に上っています。家族全員非課税で80円万以下の収入のかただけでも、7,000人を超え貯金の取り崩しなどでギリギリの生活です。介護保険料は、無年金か18万万円以下の年金の方は普通徴収です。毎月、無年金で約2000人が保険料の滞納を余儀なくされ、介護保険サービスの利用をあきらめています。当然、後期高齢者医療制度の保険料も滞納の可能性があります。介護も医療も保険証の取り上げが、問題になってくるでしょう。年金も収入もない方からも保険料を求める仕組みがそもそも間違っています。低所得の階層で医療、介護など社会保障から排除され「医療、介護難民」を生み出すことになりかねません。こうした事態を許さないため荒川区として何ができるのか真剣に考えるときです。
 最低生活費を割り込む高齢者に対する介護保険料、国保・後期高齢医療保険料などの納付義務は、生存権の侵害であり、滞納者をつくり医療介護難民を生むものです。低所得者の実質的な免除制度を検討することを再度求めます。

≪ 答弁 ≫
【区長答弁】

 社会保障制度及び後期高齢者医療制度についてのご質問にお答えいたします。
 我が国においては、昭和三十六年、国民健康保険事業が全国の区市町村で実施され、国民皆保険制度が開始されました。その後、高度経済成長の下、医療保険の給付率の改善や年金水準の引き上げなど、社会保障制度の拡充が行われてまいりました。
 しかしながら、経済の低成長化や急速な少子高齢化等に伴い、社会保障制度全般にわたる課題が生じてきております。
 第一に、高齢化の進展に伴う給付費の増加によって、現役世代の負担が年々重くなっているため、給付と負担のバランスや世代間の不公平の是正が求められていることであります。
 第二は、医療や年金、介護等の社会保障関係費が、国の一般歳出の半分を占め、巨額な財政赤字の下で、負担が将来世代に先送りされていることであります。
 第三は、日本の社会保障制度は、労使折半で保険料を負担する方式を基本としているため、社会保障制度を充実する場合には、個人及び企業の負担の増加が不可欠になる点であります。
 私は、こうした諸課題を解決し、我が国の社会保障制度を将来にわたり持続可能なものとしていくためには、給付と負担のバランスや世代間・世代内の負担のあり方などを見直しする制度改革は避けられないと考えております。
 ただし、私は、基礎自治体の長として、社会保障制度の改善に当っては、次の二点が極めて重要であると考えております。
 第一は、後期高齢者医療制度の発足に当っても強く主張してまいりましたが、国と自治体や自治体間の負担の公平性についてであります。国が負担すべきものは負担し、自治体や国民の負担が過重にならないこと、また、特定の自治体に負担が偏らないことであります。今後とも、特別区長会の場などで、こうした観点から意見を申し述べてまいります。
 第二は、制度の枠にとらわれずに、地域の創意工夫を生かし、区民福祉の向上のための施策を実施していくことであります。これまでも、障害者自立支援法の施行に伴う負担軽減策等を行ってまいりましたが、今後の制度改革に当たりましても、区として何ができるのか、あるいは、何をすべきなのかを積極的に検討してまいる所存でございます。
 続いて、後期高齢者医療制度についてお答えいたします。
 この制度は、高齢者と現役世代の負担を明確化するなど、従来の老人保健制度の問題点を改善し、国民皆保険制度を維持していく目的で実施されたものであると承知しております。
 一方で、先ほど申し上げましたように、財源負担や保険料設定などに改善すべき点があったため、その是正を強く求め、実現を図ったところであります。
 本年四月の制度開始以来、制度廃止も含め、各方面から様々な意見や批判が寄せられております。私は、制度を廃止し、老人保健制度に戻しても、問題は解決しないと考えております。
 最も重要な点は、本制度のメリットとデメリットを改めて検証し、デメリットについては改善を図っていくことであります。
 区民や議員の皆様からのご意見を踏まえ、私が本部長を務める後期高齢者医療制度対策本部において、制度の内容や周知方法等についての議論を進め、国に対して積極的に意見を申し述べてまいります。

【福祉部長答弁】

 高齢者プラン策定についてのご質問にお答えいたします。
 区では、高齢者のだれもが、住み慣れた家庭や地域で個人として尊重され、自らの意思と選択に基づく自立した生活を、いきいきと営むことのできる生涯健康都市を実現するため、本年度、平成二十一年度から二十三年度までの三年間の第四期荒川区高齢者プランを策定することとしております。
 プランの策定に当りましては、第三期高齢者プランの進捗状況を検証するとともに、高齢者や要介護者の生活状況、介護保険サービス等の利用意向、また、介護保険サービス事業者のサービス供給量等を把握し、今後の高齢者保健福祉及び介護保険事業に反映させていくことが重要であると認識しております。
 このため、第四期高齢者プラン策定の基礎データとするために、高齢者の生活状況調査、要介護等高齢者の実態調査、介護保険サービス事業者に関する調査を実施することとしております。これらの調査結果、特に、高齢者や要介護者の生活実態とニーズを詳細に分析・把握した上で、第四期高齢者プランを策定してまいる所存であります。
 なお、ご質問にございました首都大学東京健康福祉学部との共同調査につきましては、昨年十一月、主に閉じこもりや認知症に関連する要因を解明し、新たな施策の展開を図る目的で、高齢者等の生活実態調査を実施したものでありますので、第四期高齢者プランの策定にも活用してまいりたいと考えております。

【福祉部長答弁】

 高齢者の保険料についてのご質問にお答えいたします。
 高齢者の皆様の保険料は、介護保険料、国民健康保険料、後期高齢者医療保険料とも所得に応じて算定するものであり、いずれの保険料も、低所得の方については、軽減措置がとられております。
 介護保険料については、八段階ある所得段階のうち、第一、第二段階の保険料率は基準額の二分の一、第三段階は基準額の四分の三になります。また、一定の要件に該当する第三段階の方を対象として、区独自の保険料軽減制度を実施しております。
 国民健康保険料及び後期高齢者医療保険料につきましては、世帯の所得が一定額以下の場合は、均等割額を所得に応じて七割、五割、二割減額することとなっております。
 このように、低所得者の保険料については一定の軽減措置がとられていること、また、保険制度は被保険者が応分の負担をすることにより皆で支えあうことを前提とした制度であることから、災害により重大な損害を受けたとき、事業の休廃止により収入が著しく減少したとき等を除いて、保険料の免除を行うことは望ましくないものと認識しております。

≪ 質問 ≫

 次に、子どもの貧困についてうかがいます。
 OECD経済協力開発機構が行った調査報告によりますと、その国の可処分所得の中央値の半分を貧困ラインとして、これ以下の収入しかない家庭で暮らしている子どもの割合を貧困率と規定しています。2000年の段階で日本の場合、夫婦子ども一人で手取り年収240万円です。その指標で見ると子どもの貧困率は、14・3%で他のOECD諸国と比べて高くなっています。さらに非正規雇用の拡大など状況は、いっそう悪くなっています。
 OECDによると、日本の子どもの貧困率がじわじわと上がり続け将来はOECD諸国の平均12・2%の2倍、実に4人に1人にまで高まる危険があるとしています。また「学校教育や塾の費用の高さを考慮すると、貧しい家庭の子どもは不十分な教育しか受けられず、それ故成長の可能性が阻まれがちで、貧困が次の世代に引き継がれる危険にさらされている」「日本の子どもの貧困率の増大の一つとして母子、一人親の中での貧困が広がっている事を重大視している」と警告しています。
 政府としてこの警告を重く受け止め本格的な対策が必要ですが、社会保障構造改革は、生活保護母子加算削減廃止、児童扶養手当縮減などなど、このいちばん弱い部分を切り捨てるものとなっています。
 荒川区の就学援助は、昨年度まで生活保護の1・1倍だったにもかかわらず小中学生の三分の一、三人に一人が受給するまでに増加しています。最低生活を割り込む階層が、高齢者とともに子育てをしている世帯に多いことも重大です。
 荒川区は、子ども医療費の無料化、妊婦健診助成の拡大、保育料の軽減など子育て支援を広げてきましたが、この貧困層の広がりの中でいっそうの対策が必要と考えます。
 子育て支援需要調査を見ると、一年間の教育費の平均は約25万、給食費52,000円、その他実費約53,000円、合計で年約35万円となっています。
 また一人親家庭は、15%にのぼり、一人親になって一番困ったことはやはり「経済的不安」であり、その要望は「都営住宅への入居や家賃補助」「児童扶養手当・育成手当の増額」等、財政的支援です。NHKのワーキングプア特集でも母子家庭のことが取り上げられましたが、昼夜二つのパートをかけもち、帰宅は毎晩夜中の2時、睡眠時間も4、5時間、「あと十年頑張れば子どもは巣立つでしょう。しかしその時は私の体はぼろぼろ」と語っていたのが胸を打ちました。
 こうした子育て世代の実態を示す「子育て支援需要調査」に基づき区事業の改善を今後はどう行っていくのかお答え下さい。
 相次ぐ値上げで暮らしが大変な中、学校給食費も値上げです。給食の原材料費は保護者負担の考え方ですが、それでよいのでしょうか。
 また、私費負担となっている教材教具についても憲法の義務教育無償の原則からすれば、この部分への公費のあり方も当然検討すべき課題ではないでしょうか。港区では、今年度からは補助教材の全額公費負担を行い、ワークブック、資料集、ドリルなど年間で小学校一人78,000円、中学校で一人15,000円から18,000円程度の保護者負担が軽減されると言います。さらに理科実験セットや家庭科エプロンづくり材料費など学習材料の補助も一人年間4,000円を限度に行っています。
 せめて、義務教育無償の原則に近づけるため「学校給食」「教材教具」などの公費負担あり方を検討することを求めます。
 合わせて低所得の子育て世帯に対する生活支援として家賃助成などを検討すべきです。お答え下さい。

≪ 答弁 ≫

【子育て支援部長答弁】

 「子育て支援需要調査」に寄せられている、区民からの意見や要望に対する対応についてのご質問にお答えいたします。
 「子育て支援需要調査」は、家庭内における子育ての状況や子育て支援に対する要望を把握することを目的として、昨年十月に実施したものでございます。
 本調査から、子育て世代では、荒川区での居住年数が五年未満である方が半数近くにのぼること、子育てについての悩みがある保護者が少なくないこと、子育てに関する情報提供が求められていること、ひとり親家庭に対するきめ細かな支援策が求められていることなど、施策展開に当って参考とすべき事項が多く得られたところであります。
 この調査結果を踏まえ、区では、本年度におきまして、二十四時間、電話による相談ができる「あらかわキッズコール二十四」の実施、「あらかわ区報キッズ」の発行、子育て専用ホームページの開設、子育て支援モニター制度の創設など、数多くの新規事業の展開を図っているところでございます。
今後とも、子育て世代の方々のご意見、ご要望に対応した、効果的できめ細かな子育て支援施策の推進に努めて参ります。

【教育委員会事務局次長答弁】

 次に、義務教育における公費負担のあり方に関するご質問にお答えします。
 義務教育に要する経費負担の考え方につきましては、公費負担を原則としつつ、利益が個人に還元されるもの等につきましては、個人の負担としております。
 こうした考え方に基づき、区立小・中学校では私費会計という形で、教材費や給食費等を保護者から徴収しておりますが、経済的に修学が困難な家庭につきましては、生活保護や就学援助等により経済的な支援を行うことで、教育の機会均等と義務教育の円滑な実施を図っているところであります。特に就学援助では、今年度から認定基準を緩和することにより、制度の充実を実現したところであります。
 さらに、学校給食につきましては、先にご報告をさせていただいたとおり、この度、外部の有識者も含めた検討会を設置し、その中で、学校給食の充実とあわせて公費負担のあり方についても検討してまいる予定でございます。

【子育て支援部長答弁】

 子育て世帯に対する生活支援についてのご質問にお答えいたします。
 荒川区におきましては、子育てに関する負担の軽減を目的に、子ども医療費助成の中学生までの拡大や認証保育所保育料の助成などの支援策を実施して参りました。さらに今年度におきましては、区立幼稚園入園料の廃止、私立幼稚園入園料補助の拡大、第三子以降の保育園保育料無料化など、全国でもトップクラスの子育て支援策を実施いたしているところでございます。
 区といたしましては、今後とも、子育て世帯が、安心して子どもを生み育て、子育てに楽しさと喜びが感じられるよう、さまざまな生活支援策を推進して参ります。
 なお、お尋ねのありました、家賃助成につきましては、すでに低家賃の公営住宅が整備されていること、単なる現金給付的な施策は望ましくないこと、子育て世帯に限らず、すでに生活保護制度の中で住宅扶助が実施されていることなどの理由から、低所得の子育て世帯に特化した家賃助成制度を創設することは困難であると考えておりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。

≪ 質問 ≫

 次に、教育環境整備についてうかがいます。
 いま区内小中学校で、汐入小学校をはじめ40人目いっぱいのクラスが出現しています。現在40人になった学級は、汐入小2年3クラス、尾久西小2年1クラス、諏訪台中2年3クラスにのぼっています。すでに汐入小2年では、転入によって41人クラスまで生まれています。それでなくとも今日小学校低学年の学級運営や学習指導は大きな困難を抱えています。こうした現状から子どもの学習環境を守るため、小人数学級は待ったなしではないでしょうか。
 破綻した新銀行東京に400億円出す一方、少人数学級には予算を付けない。東京都は、全国で唯一教員の増配置の弾力的運用を認めていません。当然年度途中で子どもの人数の変動があってもクラス分割ができる訳ではありません。現場の声を聞き、必要な対応が求められます。
 小中学校で40人以上のクラスが生まれている現状について、教育上どう考えているのか見解をうかがいます。

≪ 答弁 ≫

【教育委員会事務局次長答弁】

 次に、学級編成に関するご質問にお答えします。
 区立小・中学校における学級編制につきましては、法律に基づき、一学級の児童・生徒の人数を四十人と定めた東京都教育委員会の学級編制基準により、あらかじめ東京都教育委員会と協議したうえで、その同意を得て行うことになっております。
 したがいまして、本区におきましては、都の基準に基づき、一学級四十人の学級編制を行っており、年度途中の新たな児童生徒の転入により、四十人を超える学級が生じることもございます。
 しかし、教育委員会といたしましては、学級の人数にかかわらず充実した教育が行われるよう、東京都教育委員会から区に加配されている教員を配置したり、少人数に分かれて学ぶ習熟度別学習やティーム・ティーチングを全ての小・中学校で実施するなど、きめ細かな指導に努めております。さらに、今年度は新たに「算数大好き事業」として、小学校一、二年生の三十人以上の学級に、区の講師を配置し、少人数指導を行っております。 教育委員会といたしましては、今後とも学級の人数や規模にかかわらず、教育の成果が十分あらわれるよう、多様な支援策を工夫し、学校教育の充実を図ってまいります。

≪ 質問 ≫

 次に地域経済活性化についてうかがいます。
 荒川区が首都大学などと連携してはじめたMACCプロジェクトの参加企業によって試作品、新商品づくりがはじまりました。
 昨年の新製品づくりをめざす首都大学と共同実施の「高齢者のニーズ調査」は、全国からも注目されて、担当の教授も講演に忙しいようです。また、産学公連携のためコーディネーターを配置しました。この方は、技術経営、経営革新などを専門分野としてインキュベーションマネージャーなど多彩な経歴をお持ちです。区内の事業主と大学の間に立ったアドバイスは、新たな発想を生み、あるいは、SGマークなど安全性確認などの知識や、産業技術高専に耐久性調査を依頼するなど具体的な生きた成果に結びついているようです。
 元気をなくした区内小零細企業に、新たな意欲を喚起し新商品づくりと実際に売れる商品を生み出すところまで進展しています。
 NHKや民放などにも登場した、町屋のパイプベンダーの専門会社がMACCに参加する中で製造した、自立杖フェレットは、この二ヶ月余りで80本を超える注文を受けています。
 メイドイン荒川の製品が、メガヒットを飛ばす日が来ることを期待したくなります。そこまでいかなくとも、社会や区民に役立つ製品の誕生は、確実なヒットを重ねるものであります。実際、80本の杖の製造は、さまざまな部品の調達や塗装、梱包材などにも波及して、区内企業に動きを作りだしています。直接的に小零細企業が一つでも二つでも元気になることでさらに地域の元気も拡大します。
 このように直接区内事業者を支援するコーディネーターの成功は、きわめて象徴的です。現在、非常勤コーディネーターは二名体制ですが、地域経済を活性化させれば区民生活にも還元されるものであり、必要な専門家の育成と配置に財政支出を渋ってはなりません。
 合わせて、地域産業支援の総合相談窓口、技術支援や検査機器の提供、異業種交流や製品開発などの場を提供する、拠点施設としての支援センターの設置が必要であります。
 長年の懸案である、人と場を提供する産業支援センターの具体化について答弁を求めます。
 次に、事業者が元気になれば後継者も生まれます。しかし、区内企業や事業者の現実は70%が後継者なしと言われています。区内企業の零細とは言え産業集積を生かしていくために、区内の技術・技能の掘り起こし、後継者育成のための養成中の財政支援なども検討することを求めます。
 最後に、区内のこの間の起業、創業の実態とその成功、失敗などの特徴点の把握と分析を行い、産業振興策の改善、充実に役立ててはどうでしょうか、見解をうかがいます。

≪ 答弁 ≫

【副区長答弁】

 産業振興センター設置についての質問にお答えします。
 区では、産業振興懇談会での提言を踏まえ、平成十八年度から二か年にわたり、産業振興施設の必要性、施設に求められる役割、機能、設置場所、配置プラン、事業コストなどについて調査研究を行ってきました。
 その調査研究においては、産業振興施設には、区内産業の総合的な支援拠点としての役割と新産業創造促進拠点としての役割の二つが求められ、そして、その内容として、ワンストップサポートセンターとしての機能、インキュベーションセンターとしての機能、ビジネス交流センターとしての機能の三つが必要となるとされています。
 これらの機能を持つ施設の設置場所としては、東尾久周辺地区、南千住周辺地区、西日暮里周辺地区が考えられ、土地の制約条件、人の流れ、交通アクセスの利便性などを考慮すると、現時点では、西日暮里周辺地区が相応しいのではないかとの方向性が示されています。
 産業振興施設については、土地取引のチャンスが突然訪れる可能性があること、国等の関係機関の補助制度の活用の可能性もあることなどから、これらに係る情報の収集に努めるとともに、こうしたチャンスにも即応できるようにして参りたいと考えています。
 今後、事業コストなどにも考慮し、議会や関係機関等のご意見等もさらにお聞きしながら、産業振興基金の活用も視野に入れ、施設の設置に向けた検討を深めて参りたいと考えています。

【副区長答弁】

 技術・技能の掘り起こしと後継者養成への支援についての質問にお答えします。
 急速にグローバル化が進展する中、日本のモノづくり産業が生き残っていくためには、経済発展が著しいアジア諸国などに真似のできない先端技術に加え、我が国製造業の強みの源泉であるプレス、めっき、鋳造、金型設計などの高度な基盤的技術や卓越した技能を円滑に受け継ぎ、これを発展させていくことが極めて重要であると認識しています。
 こうした技術・技能を受け継いでいただく後継者づくりの支援については、何よりも、現在の技術・技能を活かしたモノづくりが、グローバルな経済競争環境の中で将来的にも事業として成り立つことが肝要であります。このため、MACCプロジェクトを中心とした産業振興施策の推進により、技術・技能のさらなる高度化、企業の経営革新や経営基盤の強化を支援して参りたいと考えています。
 また、後継者の養成についても重要なテーマでありますので、この中で積極的に取り組んで参ります。本年度からは、「若手経営者・後継者の会」を設置し後継人材の育成に力を入れるほか、大手・中堅企業との連携を視野に「区内製造業技術力スクリーニング調査」を実施し、技術力のある企業の発掘にも努めて参ります。 なお、養成中の費用を直接支援することについては、第一に、どのような技術・技能を対象とするのか、第二に、最低でも一〇年はかかるといわれている技術・技能の習得に対し、いつまで助成するのか、第三に、技術・技能の習得の効果をどのように検証するのか、などといった検討すべき課題が存在していることから、既に取り組んでいる自治体の事例を把握し、その効果を検証するなどしつつ、引き続き調査研究して参りたいと考えています。

【副区長答弁】

 起業、創業事例を把握し、今後の支援策に活かすことについての質問にお答えします。
 区内の事業所・企業数が減少する中、地域経済の活性化のためには、既存企業の経営基盤を強化する一方で、創業や起業を促進する環境を整備することが重要であると認識しています。
 このため、区においては、@全国に先駆けた創業支援施設である「西日暮里スタートアップオフィス(NSO)」の運営、A区の融資制度の中で最優遇の金利での「創業支援融資」の斡旋、B女性起業、店舗開業、会社設立などの目的別にコースを設けた起業家支援塾の開催、C専門相談員による創業相談などの事業を実施しています。
 これらの事業を実施する中で、支援策を利用した事業者に対してフォローアップ調査を実施するとともに、企業相談員による個別訪問などにより、起業、創業実態の把握に努めています。また、起業家支援塾においては、起業、創業に係る成功・失敗の事例を数多く紹介しています。
 区としましては、今後とも、業務連携をしている中小企業基盤整備機構や東京都中小企業振興公社などの創業支援部門との連携を密にし、きめ細かく起業、創業に係る事例を把握して、支援策の立案に活かして参りたいと考えています。

≪ 質問 ≫

 次に、都営住宅の建替え問題についてうかがいます。
 いま荒川区内では、これまで荒川2丁目都住が移転完了、西尾久8丁目も建替えのため移転完了、今後町屋8丁目都住が建替えのため移転する計画になっています。そこでは、東京都が進める建替えに伴う「型別供給」基準が大きな問題となっています。
 この数年間で東京都は、建替え後の住宅供給のあり方を改悪し、各家庭の状況抜きに新築住宅への移転では、2人世帯の場合37uの2K、6畳の畳と3畳半程度の板の間の部屋以外は絶対に認めない基準をつくったのです。いま、建替えに伴って移転する世帯は、高齢のひとりないし2人世帯が多くを占めています。そのため、都の進める型別供給基準で行くと、ほとんど1DK、2Kという狭小な住宅ストックに変わってしまいかねません。加えて収入基準引き下げなど実施されると若い人の入居が将来的に不可能な、しかも数百戸単位の事実上高齢者中心の集合住宅群に変わってしまいます。
 区は、ワンルームマンションを規制する内容の条例を制定しました。周辺環境の悪化や狭小な住宅ストックでなく、家族向けを50u以上にすることを求めています。しかし、今後建替えでできる都営住宅は、家族向け2人世帯で37uの2Kしか認めないというものです。3人世帯も2DK47uです。区の基準に明らかに反しているではありませんか。都営住宅といえでも区の基準をキチンと適用させるべきです。
 また2Kタイプは、国の決めた最低居住条件すら確保しているかどうか怪しいものです。国の基準は、2人で居住室を10.5畳としています。専用面積は、達していますが居住室は、どう見ても9.5畳程度しかありません。
 居住室面積が国の最低居住水準を下回る現行の都営住宅建替え「型別供給基準」の見直しを都に求めるべきです。
 また、都営住宅の建替えにあたっても「荒川区集合住宅の建築及び管理に関する条例」を適用して良好な居住環境整備をすすめるべきです。お答え下さい。

≪ 答弁 ≫

【都市整備部長答弁】

 都営住宅の建替えにおける「型別供給基準」の見直しに関するご質問にお答えします。

 国においては、住生活基本法の施行に際し、居住室面積の大きさだけではなく、浴室やキッチン等を含め住戸全体として必要な面積を確保する観点から、住戸専用面積を居住水準の指標とする基準の改正を行いました。 東京都の「型別供給基準」もこの基準を満たしております。
 また、居住区分につきましても、家族構成だけではなく、車椅子を使用する方の世帯においては、この基準によらないことができるという特例事項が定められているなど、一定の配慮がなされております。

【都市整備担当部長答弁】

 都営住宅の建替えにあたっての条例適用に関するご質問にお答えいたします。
都営住宅の建設につきましても、「荒川区集合住宅の建築及び管理に関する条例」が適用されております。
 ただし、国又は地方公共団体の事業につきましては、協議により区長が認めた場合は、適用しないことができる規定となっております。
 これは都民のセーフティネットとしての都営住宅の設置目的に鑑み、半数以上を家族向け住宅にすることや駐車施設の設置に関すること、さらに、管理人室の設置に関すること、の三項目につきまして適用除外としているところでございます。
 なお、ご指摘の家族向け住戸五十平方メートルにつきましては、国の基準に基づき、四人家族を想定して定めたものでございます。

≪ 質問 ≫

 最後に、京成線高架下の活用整備についてうかがいます。
 京成線高架下の住民への立ち退きが言い渡されて、2年と9ヶ月を過ぎました。長年に渡って多くの区民が住み、営業の空間であり、下町特有のにぎわいも作り出してきました。耐震工事が終われば戻って暮らしたいと、裁判を行ってきた人たちの中で明け渡しという結論の出た方もいます。
 40数年間、親子二代で店を営んできた方は、結局廃業、生活の糧を奪われ不安を抱えての転居です。また、いまだに店舗が見つからず困っている方もいます。荒川を去ることになり、他地域のマンション暮らしになじめるだろうかと後ろ髪を引かれる思いで引っ越していった人など、区民の多大な犠牲で生まれた高架下の空間です。区民に役立つ活用がなければ、明け渡した方々も納得できません。これまでも高架下活用として自転車置き場としての活用の意見がありますが、自転車バイク駐車場として京成電鉄とどういった交渉を行っているのか、お聞かせ下さい。
 センター町屋自転車駐車場は、定期利用、一時利用もほぼ満杯に近い状況のようです。尾竹橋通りの歩道、赤札堂やセンター町屋、マクドナルド、イーストヒル町屋、また99ショップ前など放置自転車は増え、改善されていません。バイク置き場の要望も出ています。鉄道事業者や商業施設の設置者は、当然自らの責任で自転車等の駐車場設置する義務があります。この際、京成電鉄、東京メトロ、東京都交通局、商業施設設置者などに自転車駐車場整備について応分の費用負担を求め、快適な空間確保の責任を果たすべきではないでしょうか。そうした立場で、今後の折衝にのぞんでいただきたいと思います。お答え下さい。
 以上で第一回の質問を終わります。

≪ 答弁 ≫

【土木担当部長答弁】

 京成線高架下に自転車等駐車場を設置するための要請に関するご質問にお答えいたします。
 放置自転車は減少してきておりますが、依然として駅前に自転車が放置されており、歩行者の迷惑など様々な問題の原因となっています。特に、町屋・新三河島駅前の放置自転車を解消することは自転車対策の大きな課題であると認識しています。
 区は、この様な状況を解消すべく、耐震工事により空きスペースとなっている京成線高架下の一部を自転車駐車場として提供するよう、京成電鉄に対し強く要請しているところです。
 しかしながら、高架下を活用した自転車駐車場の設置について、京成電鉄は一定の理解を示しておりますが、現在、居住者と立ち退き交渉中であるため、未だ回答を得るに至っておりません。
 本件については、これまで他の会派からもご質問いただき答弁しているところですが、今後とも、引き続き京成電鉄に対し強く要請していきます。

【土木担当部長答弁】

 自転車駐車場の設置にあたっては、鉄道事業者等に応分の負担をさせるべきではないかというご質問にお答えいたします。
 放置自転車対策については、これまで多大な経費を投入して、自転車駐車場や自転車置き場を設置し、利用者の利便性の確保と駅前等の放置自転車の撤去に取り組んでまいりました。
 しかしながら、依然として放置自転車が絶えない状況です。
 放置自転車を解決するためには、鉄道事業者や集客施設設置者の積極的な協力が不可欠であることはいうまでもありません。
 今後とも、自転車に関する法律や条例に基づき、鉄道事業者等に自らの駐輪場の設置や用地提供などを含め、応分の負担を積極的に求めていきます。













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